矯正歯科|子供・成人の矯正~保険の口蓋裂・顎変形症の矯正 小石川矯正歯科クリニック
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小石川先生のひとことブログ

文京区小石川に開業している矯正歯科医が、矯正治療に関して徒然なるままに語る矯正歯科考察ブログ

矯正専門の歯科衛生士さん、結ぶのちょっと待って?

 前回、歯科衛生士さんにワイヤーをはずしたり、結んでもらうクリニックのことを患者さんからお聞きしたがこれらの処置については歯科衛生さん方の仕事の範囲と思われます。

 実際治療の現場から考えますとワイヤーを結ぶ時「この歯は今回そっと結んでおきたい、この歯は少しきつめに結んでおきたい」などのちょっとした先生の考えが伝わりにくいことがあります。誰が結んでも差異はない、というテクニックとすれば、それはそれで成り立つとも思えるのですが。細かくワイヤーを曲げたり、歯の動きを観察しながら治療を行う場合、このちょっとした結ぶ工夫が治療の効果効率を上げていることも否定できません。ある意味熟練の技術を要するスタンダードエッジワイズテクニックなどでは歯につけたブラケットと呼ばれる装置にワイヤーを結ぶ時それなりの工夫が他のテクニックに比べ多いように思われます(反論もあるでしょうが)。必ずしも誰が結んでも効果は同じように生じるというわけではない点がこの辺りにあります。
 そのようなことから歯科衛生さんであれば誰でもよいということでなく、むしろ矯正専門の歯科衛生士さんの登場が期待されることになります。治療テクニック、システムの相違はあるものの先生も単に「ワイヤーを結んでおいて」という指示だけではちょっと歯の動きに差が出てしまうかもしれません。このような治療環境を考えますとやはり前述したように「矯正専門の歯科衛生士の存在」が望まれることになります。しかしここで考えたいのは、矯正専門の歯科衛生士になったとしても「公の(ちょっと大げさな表現ではあるものの)矯正専門の歯科衛生士の教育システム」がほとんど見当たらないということです。でも実際衛生士さんは矯正専門のクリニックで仕事をしていますし、月に数回の非常勤の矯正医のもとでも仕事をしています。このような場合関係する矯正医自身が教育しなければなりません。結果、その矯正医が仕事をしやすいように色々なことを教えるのみ(これはこれで批判されるまでもなく良いのですが)というのが実情です。でもやはり矯正治療全体(概要)を知って、今自分が先生からの指示を受け治療のどの段階の処置をヘルプしているのか?、なぜこの歯は強く結ぶ必要があるのか?治療のどの段階でどのように歯みがきの指導をしたらよいのか?などなど理解をした上での処置の方が望まれます。要は矯正専門医のところでたまたま仕事をしているから「矯正専門の歯科衛生士である」ということにはなりにくく、むしろ歯科衛生士学校を卒業後あらためて「矯正治療について専門に学ぶこと」が必要ではないかとも思われます、どうでしょうか?

 今後、ますます期待される矯正専門の歯科衛生士さん機会を見つけ「矯正治療について」学ぶことに努めりことが必要かな?とも思えます。

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