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小石川先生のひとことブログ

文京区小石川に開業している矯正歯科医が、矯正治療に関して徒然なるままに語る矯正歯科考察ブログ
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思わず「やるな」と思った相談の患者さん:#1先生の治療歴は?

 いきなりの質問でした。いくつかのクリニックで相談を行ったそうで質問の要領もよく質問内容を箇条書きにしていました。質問される様子からこちらが査定されているような気もしましたが。

 <先生は矯正治療をどのくらいしているのですか?>「えっ、今年で33年目ですが」。「あーそうですか」。どうしてそのような質問をされるのですか?とたずねたら、「矯正治療のような専門性が高い治療についてはどのくらいの経験があるかが気になる」とのことでした。まーそういう観点からご自身の担当医を決めたいとのことだそうで・・・なるほど。これはなかなかの患者さんだなと思ってしまいました。
<ずーと開業されていたのですか?>臨床医としてどのくらいの実績があるのかの問いかな?。大学を辞めて開業医ととしては4年目、その前に国立私立の2つの大学に合わせて29年いましたが、大学でのあれやこれやの話が15分ぐらい。結局この間に患者さんに査定されていたのかなとの思い、一方ではこんなことを聞いてどう評価するの?。でもこの患者さんにとっては自身の治療を任せる臨床歴や経歴が重要な要素であろうと判断。これってなかなか聞きにくいものですが、これだけシビアに相談される機会は益々増加していくのだろうと思い。これはこれで良いことなのかなとの思いでした。 
 折角お話できる機会がありましたので、ここまでこだわる理由は何かと逆に質問したところ、矯正治療をした方がいて、相談したところ次のようなことを質問するといいよとのことだったそうです。「非常勤の矯正医よりは矯正専門医として開業している方を」「あまりに高額な矯正治療費はその価値を認めてから」「都心の一等地や駅からの利便性などで開業医を選択する特別な理由はない」「どのくらいの治療実績を持ったどのような人柄の先生か?がポイント」であるようなことをいわれ、「同時にメモをとることに違和感を持つような先生であれば考える余地があるのではないか」、などなどのようでした。確かにそのようにして相談を受けることは必要でもあるものの、先生によっては嫌うかもしれません。たじたじになってしまう方もいます。いずれにせよインターネット上の情報はあくまで参考に、ご自身の目で確かめてからの矯正治療開始、これは患者さんがさらに賢くなってきた証拠です。いいですね。

 情報は大げさにならず、当たり前の情報を当たり前に提示する、これしかないように思う日々です。

 

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矯正専門の歯科衛生士さん、結ぶのちょっと待って?

 前回、歯科衛生士さんにワイヤーをはずしたり、結んでもらうクリニックのことを患者さんからお聞きしたがこれらの処置については歯科衛生さん方の仕事の範囲と思われます。

 実際治療の現場から考えますとワイヤーを結ぶ時「この歯は今回そっと結んでおきたい、この歯は少しきつめに結んでおきたい」などのちょっとした先生の考えが伝わりにくいことがあります。誰が結んでも差異はない、というテクニックとすれば、それはそれで成り立つとも思えるのですが。細かくワイヤーを曲げたり、歯の動きを観察しながら治療を行う場合、このちょっとした結ぶ工夫が治療の効果効率を上げていることも否定できません。ある意味熟練の技術を要するスタンダードエッジワイズテクニックなどでは歯につけたブラケットと呼ばれる装置にワイヤーを結ぶ時それなりの工夫が他のテクニックに比べ多いように思われます(反論もあるでしょうが)。必ずしも誰が結んでも効果は同じように生じるというわけではない点がこの辺りにあります。
 そのようなことから歯科衛生さんであれば誰でもよいということでなく、むしろ矯正専門の歯科衛生士さんの登場が期待されることになります。治療テクニック、システムの相違はあるものの先生も単に「ワイヤーを結んでおいて」という指示だけではちょっと歯の動きに差が出てしまうかもしれません。このような治療環境を考えますとやはり前述したように「矯正専門の歯科衛生士の存在」が望まれることになります。しかしここで考えたいのは、矯正専門の歯科衛生士になったとしても「公の(ちょっと大げさな表現ではあるものの)矯正専門の歯科衛生士の教育システム」がほとんど見当たらないということです。でも実際衛生士さんは矯正専門のクリニックで仕事をしていますし、月に数回の非常勤の矯正医のもとでも仕事をしています。このような場合関係する矯正医自身が教育しなければなりません。結果、その矯正医が仕事をしやすいように色々なことを教えるのみ(これはこれで批判されるまでもなく良いのですが)というのが実情です。でもやはり矯正治療全体(概要)を知って、今自分が先生からの指示を受け治療のどの段階の処置をヘルプしているのか?、なぜこの歯は強く結ぶ必要があるのか?治療のどの段階でどのように歯みがきの指導をしたらよいのか?などなど理解をした上での処置の方が望まれます。要は矯正専門医のところでたまたま仕事をしているから「矯正専門の歯科衛生士である」ということにはなりにくく、むしろ歯科衛生士学校を卒業後あらためて「矯正治療について専門に学ぶこと」が必要ではないかとも思われます、どうでしょうか?

 今後、ますます期待される矯正専門の歯科衛生士さん機会を見つけ「矯正治療について」学ぶことに努めりことが必要かな?とも思えます。

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治療転医その理由-1日の患者さんの数?先生の治療関与度?-

 あるクリニックからの転医の患者さんです。「色々調べた結果そのクリニックで矯正治療を行うことにしました。治療費は高い部類と思ったのですが治療期間が他に比べ早いということで決めました。でも実際治療がじはじまると先生が自分を診てくれる時間が少なくほとんど歯科衛生士さん達がワイヤーをはずしたり結んだりして最後に先生がちょっと治療の確認をするというような状況でした。それでも早く治るならそれでよいかと思っていたのですが、治療期間が1年ぐらい延びてしまっておりなんとなく不安になり、治療費も一括で支払ってしまっていますがこのままでいいのかな、と思い他のクリニックで一度診てもらおうと思って来ました。」これが来院経緯です。さてどのように考えるか、慎重になってしまいます。
 
 治療に関してはその内容についての意見をお話しするのは甚だ難しいものです。、単に治療技術論に留まらずそのクリニックの治療体制(複数の先生方による治療、衛生士さん達が主になるような治療体系、非常勤の先生による治療、経験や実績の浅い先生の治療などなど)や先生の個人的な実績などがありますので、治療費の高い安い、患者さんに説明した内容の確認、毎回の治療内容、どのような治療に関する医療材料を用いているのか、複数の内容を総合的に考えてお話しなければなりません。よほど勝手な自信がなければなんともいえません。むしろ今どのような症状であり、これから治療を進めるためにどのようなことをしたらよいかをお話するのみとなってしまいます。このような対応は患者さんにとっては不満かもしれませんが前の治療経緯を知らない者にとってはしかたのないことです。患者さんの不安をあおるようなことは必要のないことです。転医した場合の残った治療とそれらに伴う転医費用、分割などでの支払いなどに納得され、最終的にはご自身の判断で転医をするかどうかを決めることになります。この患者さんは後日転医をしてきました。残っている治療をたんたんと行うのみです。ちなみに費用の返却はないとのことですので当方の治療費はほとんどかからないように行うことにしました。これは個人的な考えですので適切かどうかの疑問は残るかもしれません。

 そうこうしている内に同じような患者さんの転医です。今度は歯を抜かない、極端に安価な治療費をいわれこれもまた心配とのことでの来院です。

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