矯正歯科|子供・成人の矯正~保険の口蓋裂・顎変形症の矯正 小石川矯正歯科クリニック
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小石川先生のひとことブログ

文京区小石川に開業している矯正歯科医が、矯正治療に関して徒然なるままに語る矯正歯科考察ブログ

どうしてそんなに早く治療を開始するのか?個人にあった治療開始時期

 前歯の乱ぐい歯(叢生)を主訴に母親と来院した小学校2年生。上顎永久歯前歯2本と下顎永久歯前歯4本が明らかに将来の乱ぐい歯の様相を呈していました。熱心な親御さんはいつから治療を始めたらよいかと質問。1年ぐらい前の話でした。私の意見は目安は少なくとも上顎の前歯永久歯4本が出そろうころが適当かなと思いますと前置きし、数ヶ月おきに治療を受ける受けないにかかわらず心配であれば様子を診、必要であると判断しうる時期に検査のお話をするということにしました。患者さんは他のクリニックで矯正治療を勧められ、非常勤の矯正医が「今すぐ始めないと大変なことになる、これは歯の生えてくる隙間が足りないから積極的に顎を広げる治療が必要です~~」とのことで大変心配され当方に来院した経緯を話されました。患者さんは両矯正医の意見の相違、いつから始めるか?、について不安げでした。

 さてこの話、何が両者の相違となったかにつて考えます。「すぐ治療をしないと」との意見は早期に治療を開始し症状をいち早く改善しようとの考えで誤った考えではありません。しかし患者さんはできるだけ回数が少なく治療を終えることを希望されます。このような患者さんであれば、定期的な診察を行いながら適切な治療開始時期を探っていく方が有益で、今すぐ治療を開始するとはなりにくくなります。また「顎を広げないと」との主張とにはいささか?。顎を広げる理由として、拡大すればその後の永久歯の生えてくる隙間が完全に確保され永久歯の抜歯が不要になるとの見方をされているようですが私の診察ではそのような結果には至らないであろうとの判断でした。したがって拡大の治療は不要と判断しました。このような診たての相違での異なりが両者の相違といえましょう。患者さんは両者の診たてを判断し担当医を決められれば良いと思っています。他の考えられる理由としては矯正の患者さんが少なく早期に治療を開始する必要性を話しその結果、患者さんの獲得を考えたのかもしれませんがこの点は定かでありません。

 あまりにも早すぎる治療開始は、時に余計な治療行為となることもあります。それは避けられなければならないと思います。

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