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小石川先生のひとことブログ

文京区小石川に開業している矯正歯科医が、矯正治療に関して徒然なるままに語る矯正歯科考察ブログ
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矯正治療における再治療とは?何かもどったような気がする

 再治療の相談です。患者さんは何故もどったのか?と聞きます。前の先生は「まったく心配ありません、治療開始前も大丈夫です、といっていたのに」、とのことだそうです。

 個々の歯を積極的に移動する治療を終え、ワイヤーや歯面に付けられていたブラケットやバンドと呼ばれる装置をはずします。この後、矯正治療に従事する者であれば必ず「保定ほてい」という処置を行います。これは移動された歯に残る「もとあった位置にもどろうとする特性、いわゆるあともどり」という状況を消失させていく処置です。あともどりの性質を消そうと考える場合、歯の移動距離、移動時間、治療期間、移動形式(傾けながら、平行移動的など)、症状の特異性(ねじれていた歯はあともどりしやすい)、終了時の咬合状況、舌機能、食生活、患者さんの治療に対する理解度、協力度など様々な要素に対する配慮が必要になります。従って、何が今回の相談者が指摘する「あともどりの原因」についての明確な指摘はなかなか難しいくなってしまいます。
 「あともどり」がまったく出ない状況が長く続く症例もあります。しかし多少は、また機能的(食事をしたり話したりする機能)に問題のない程度の「あともどり」が見られることは少なくありません。この程度のものであれば特に再治療をする必要性は低いと思われます。一方、機能的にさほど問題ない場合でも見える前歯は審美性の観点から再治療をすることはあります。このように考えて生きますと再治療が必要な状況は否定されることではなく、むしろ気になれば治療を受けてると考えた方が自然に思えます。全身的な疾患で再発などの状況は日常的なものであり、矯正治療における場合もそれに類似した考えで再治療が位置づけられていると思われます。矯正治療は「咬み合わせの機能の慢性疾患の治療」と位置づければ当たり前のような気もします。それを一度治療を受けたらその後数十年に渡りまったく(100%)治療が必要がないような先入観を植え付ける担当医の発言の方が何か問題を残すような気がしてしまいます。
 「あともどりは」ない方がよいことは確かです。これを維持するためには保定という時期をなるべく長く担当医に診てもらうことです。また再治療が必要と思われた時、気楽に診てくれるような先生との関係を持つことも必要かと思います。いずれにせよ再治療に対し、まったく悪いマイナスのイメージを持つことよりは「再度治療を行えばよい」と思うことです。慢性的な疾患と捕らえれば理解できるのではないでしょうか?

 このような経緯で矯正専門医との付き合いは長引くでしょう。親子2代は当たり前、3代に渡ってのお付き合いもありということですね?

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