矯正歯科|子供・成人の矯正~保険の口蓋裂・顎変形症の矯正 小石川矯正歯科クリニック
文京区矯正歯科|小石川矯正歯科クリニック

小石川先生のひとことブログ

文京区小石川に開業している矯正歯科医が、矯正治療に関して徒然なるままに語る矯正歯科考察ブログ

毎日が当たり前の処置の連続、必要なのは修行僧的感性と行動?

 当たり前のように仕事をこなす人と、さほど力があるわけでもないのに「すごいんだ」と主張する人がいます。
 歯科矯正治療に従事するものにとって必要なのは当たり前のように毎日の臨床を行うことです。歯科矯正治療は特にすごいテクニックが考案されたとするようなことはなく淡々と職人的に仕事をしているのが毎日です。とはいえ昔プロスタグランデイン(PG)という薬剤が歯の移動速度を速めるとする研究がありました。画期的とも思われた研究です(個人的に)。抜歯症例で片側の歯肉部PGを投与し、反対側の部は投与せず同じグラム数で左右の犬歯を移動した研究です(患者さんの同意を得)。確かに両者の歯の移動速度に差が生じたようです。が難しいのはこのような結果を治療全体の中でどのように活用させるかということです。他にも色々な研究者による研究成果は提示されるものの、結局は治療を進める上での治療段階は変わらず大きな治療の短縮化は図れていないのが実情のように思えます。良い治療成績を得る最大のコツは一人の先生が毎日をこつこつと丁寧に患者さんを診るということになります。
 他の歯科疾患、例えば虫歯の処置が数年間もかかることはまずないでしょう。重度の歯周病であっても長期に渡る処置というのはあってもごくわずかと思われます。それに対し歯科矯正治療は数年~顎の発育の不調和を伴う不正咬合などでは10年近く診て行かなければならないこともあります。したがって、歯科矯正治療は自費、というなんとなく華やかな面がクローズアップされますが実際は結構地味なものです。このように考えますと「歯科矯正医=修行僧の様相を呈す」というところですか?これから矯正専門医を目指す先生方はこの当たりの状況をよく考えて日々研鑽。

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