近ごろ海外からの患者さんの転医はなんとなく増加しているように思えます。クリニックでも年間数名の方が紹介やフリーで来院されることがあります。それぞれの国情により歯科矯正治療費にも差があり、帰国したのはよいけれど日本の矯正治療費の方が高額となってしまうことが少なくないようです。
一例をお話します。アジアのある国で日本の1/3~1/5程度の治療費で矯正治療を行っていたそうです。治療途中で急な帰国、残りの矯正を日本で行って下さいとのことになったそうです。帰国後どこに行ったら分からず大学病院や個人のクリニックを尋ねたそうです。それぞれにいわれる残りの治療費はまちまちで、ある先生にはまったく初診検査診断から正規の費用を提示され、ある先生は治療途中であることを考慮して費用を提示していただいたりしたそうです。この当たりの治療環境は整備されていませんのでどちらが適切な対応かは分かりかねません。私のクリニックではこのような状況の患者さんに関しては治療経過とその国の経済状況を考え残りの矯正治療費や治療計画をお話しすることにしています。ある時はボランテイア的な治療費となることもありますが、それも歯科矯正治療に従事するものの役目と考えています。このような海外からの転医あるいは海外への転医などの例は今後減ることはないでしょう。その意味でも何らかのシステムが期待されます。
いずれにせよ海外からの転医で困っている方まずお話をうかがいますので必要であれば(あくまでも必要であれば)どうぞ、というところです。