矯正歯科|子供・成人の矯正~保険の口蓋裂・顎変形症の矯正 小石川矯正歯科クリニック
文京区矯正歯科|小石川矯正歯科クリニック

小石川先生のひとことブログ

文京区小石川に開業している矯正歯科医が、矯正治療に関して徒然なるままに語る矯正歯科考察ブログ

矯正装置の差により治療期間に差は生じるか?

 「矯正装置により矯正治療期間に差は生じるか」ということを考えます。実はセカンドオピニオンを求めてくる方の半数の質問です。私見をいいますと矯正装置の違いというよりはむしろ担当医の技術力の方が主たる要因であろうと考えます。治療開始時期にもよりますが永久歯列ですべての歯の移動を計画するような時期での矯正歯科治療では特にこのことはいえるでしょう。無論、証明はされていないものの臨床経験から、色々な原因はあるものの、歯の移動速度が平均的な速度より遅い方、症状の差、活発な顎の成長期であるか否か(顎の成長が終了した成人期以降など)、患者さんの協力度、日常生活(ストレス、睡眠、食生活など:これらも論文はありませんが)など他の要因も程度の差はあれ関与しているようです。
 1980年代であったと思いますがアメリカの歯科矯正の学術誌に、症状が類似していること、治療方法が同一であること、術者の経験がほぼ同一であることなどを基準に、表側につける矯正装置と裏側(見えない矯正装置と呼ばれるもの)のものでは表側の方が平均的な治療期間が短かったことが報告されました。このような臨床研究から示唆される治療期間の差の提示なら分かるのですがホームページなどでは「~~システムで最も進んでいる治療法」であるかのような記述に出会いますとオーバーな表現のように思えてなりません。もしそのような矯正装置や治療システムに特筆した治療結果や治療の短縮化を証明するのであれば他の矯正装置やシステムは自然に消滅するはずです。でもそうではないということは???なのです。やはり大げさな表現で矯正装置や治療システムの患者さんへの説明はほどほどにというところでしょうか。
 当たり前の説明は面白くないかもしれませんが、医療における説明とはそういうものではないでしょうか。

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